【ぼむ・後記】2023

日本の1コマ漫画界は描き手も読み手も高齢化が進み、複数の古い馴染みのファンからも体調が優れないとか、遠出が無理とかいう理由で来れない連絡がありました。そんな中、観光客でいっぱいの京都まではるばる遠方から長距離バスや新幹線でお越しいただいた皆さんには心からの感謝です。「春は京都でぼむ漫画展」というのが定番になってきましたが来年は不確定です。ギャラリーに耐震工事をする計画があり昨年からその話が出ていたのですがまだはっきりしない状況とかで来年の予約は出来ておりません。また詳細が確定次第告知させていただきます。1コマ漫画の未来と向き合って52年間を過ごしてきましたが、ぼむの歴史はまだまだ続きます。(篠原ユキオ)

ぼむ展に参加させて頂いたのは1985年の読売国際漫画大賞で受賞してまもなくでしたから、振り返るともう37〜8年ですか、、、マンガといえば物語漫画ですが、オチのあるアイデアで成立するのがひとコママンガのポイントで、他に似たような形式ではSFショートショートがあります。ワンシーンに「はてな?」と見る人に疑問を持たせ、意味がわかるとズルズルとあるいはバァ〜っと背後にある狙いに気づく。その醍醐味に飽きることはありません。(柳 たかを)

ぼむ展のお知らせはほぼSNSでということになっている。年賀状をやめてから、住所は知らないでやり取りしている人も多い。誰に案内が届いているかわからないところがあるので、思いがけない人の来場もある。今年も「おぉー!」と思った人との再会があった。同窓会のような展覧会にするつもりはないが、年賀状みたいな感じはなくもない。全国あちこちに招かれて、いろんな場所で「木陰の物語」漫画展ができるようになった。こんな風に歳を重ねていくのだろう。  (団 士郎)

毎年、桜の季節とともにボム展が開催される。今年で古希・・・・、あと何回展覧会に参加できることやら。
あと何回桜を見れることやら、帰り道に加茂の桜に問うてみる。 (カワキタ・カズヒロ)

過去発行の同人誌ぼむの作品に忍者テーマのものがいくつかあり、ここ数年のぼむ展でも忍者ものがいくつかあり、統一テーマでやってみようと今回の作品。来年はグループ全体での統一テーマもとの意見もあり、そうなった場合の訓練もかねてなんてね・・・。     (国府 弘昌)

 今回のぼむ展!スッキリした展示で見やすく良かったと思います。ただ私としては、昨年の手術後体力がまだ戻らず、集中力が続かないわけでいつものように準備していたら、アイデアも制作も共にもたついてしまった。時間ばかりが過ぎて行き焦るばかり。作画を開始したのは搬入の前日だった。まさに非常事態だ。おまけに額装は画廊でという…為体。反省してます。今思うと、展示できたのが奇跡でした。とにかく無事終了して心の底からほっとしています。(外村晋一郎)

今日は「春はぼむ展から」の最終日です。私めの4月1日誕生日もあり、桜満開も迎え、京都への文化庁の移転や、コロナも3年目でやっと終焉らしき様相の会期でした。そんな慌ただしい中、足を運んでいただき.作品をご覧いただいたこと感謝いたします。画の上に文字をどうー入れるかといった(自画自賛)はもとより額装は?展示は?の(自装自展もテーマの一つでした。最初は苦戦の程でしたが楽しくやれました。今 次回作品に考えがいってます(ののぐち・さとる)

トレンドや時事はそっちのけで相変わらずカビ臭いものを掘り起こし、古い絵を描いている。歳時記は2年目で、四季を一巡したが、前年買い求めてくれた人が(季節で額の中身を入れ替えたいから)とリピート頂けたケースが2件あった。Instagramで同ネタは継続することにして、展示を3年やると??なので来年に向け、やっぱり古いけれど新しい何かを探している。  (木村マルミ)

【ぼむ・後記】2022

1984年から参加させて頂いてはや47回目、それまでは案内状を頂いたとき大阪老松町にある会場の現代画廊をのぞかせて頂いたぐらいで、篠原さん以外のメンバーとちゃんと話したこともありませんでした。 誘って頂いたときに考えたことは、ひとコマまんがを描き続けるには、「OKすべき!」という直感が迷いに まさったと思います。理由は「ぼむ展」には、ひとコマまんがに対する真摯な姿勢が感じられ、参加することでひとコマ創作の情熱を維持できると思ったのでした。 (柳たかを)

このところ毎年のように新作掛け軸三点(6本)を定位置展示している。同様に、初日から最終日まで、昨年、一昨年も来場いただいた方々が、ほぼ同じペースで、見に来て下さっている。メールで事前に時間調整しているので、会い逃しはないと思っていたが、お一人、来場されたのに、先客との話が盛り上がっていたからと作品だけ見て帰られた方があった。ひょっとすると、他にもあったのかもしれないのが気がかりだ。 (団 士郎)

搬入出日と中一日しか行っていないので、あっという間に会期が過ぎた感じ。それでも懐かしい記憶を呼び起こすには充分だった。二十数年ぶりに声をかけて頂き、半分迷いながらも参加させて貰ってよかった。作品作りも もちろんだが、まず、ぼむの皆さんとのお喋り。そしてギャラリーを訪問してくれた方々との会話。長いコロナ自粛から目覚めるための、心地よい刺激を沢山いただいた。感謝します。 (木村マルミ)

毎年よ彼岸の入りに寒いのは 子規 この句が好きだ。前年は「おかんがいうには・・」の吹き出しを付けた作品を描いた。今年も「毎年よ・・」の言葉どおり出品できたこと、「春はぼむ展から」 と足を運んでいただいた方々に感謝。21日(春分の日)の搬入から27日搬出まで 7日間 の画廊通いを終え、心地よい疲れがある。 また 来春 余花庵で see you again .

(ののぐち・さとる)

今年はマンボウが明けた日が初日となり、昨年予約した時には考えもしていなかった。結果的に連日盛況で濃厚な一週間だった。南光さんに参加していただいたトークイベントの日だけは早いうちから大雨予想が出ていて、それで開始の時刻には多くの人が早めに家路についてしまった。それならばとレイアウトを円座懇談会風の作りにしたのは結果的には正解で、こういう動きの速さが少人数のグループの良さだなあと思ったものだった。 (篠原 ユキオ)

やりたい事を楽しくやっていくとのコンセプトで原点に戻って。朝ドラの「おいしくなーれ〜」のごとく、おもしろくなーれ〜と唱えないけれど思いの筆を進めました。また来年も楽しくやれるよう一年を過ごして行きたいと考えます。今回小2年の同級生と66年ぶりに対面対話できたこと等、コロナ禍の中久しぶりに旧知の多くの方と近況を対面で交換できたことは貴重な時間だと感じました。漫画展を通じての交換を大事にしたいと思います。 (國府 弘昌)

今年も春の訪れとともにぼむ展が無事終了した。数年前まではメンバーのほとんどが職を持っていたため 忙しい合間を縫っての作品制作をしていた。ここ 2,3年は皆さん年金生活者になり有り余る時間の中での作品制作をしている。作品上はそれほど変わらなくても制作する上でこの変化は実に大きい。1年の自由な時間はたっぷりある。でも、トータルで考えると老人に残り時間は少ない。今までとは違った漫画や絵画制作を考えてみるのもありかなと思った。 (カワキタ カズヒロ)

一年ぶりの顔合わせだ。やはりズームと違いしっくりくる。特に漫画トークでは設立当時の懐かしい話や各メンバーの漫画観にふれ一気に若き頃の自分に戻ったように感じた。 高校三年で「ぼむ展」に足を運び、一コマ漫画の魅力に はまった時のことを思い出す。そして描けるものの中からアイデアを模索していたなあと思う。そうではなく描きたいものを追求するべきだったと悟った。「遅いわ!」と自分にツッコミながらも楽しい時間だった。 (外村晋一郎)

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